米つぶ : のぞき戸って、何でしょうか。 なんか、ドラエモンの「どこでもドアー」みたいな
響きですけど。
店長 : 地名ですよ。 この場所を、朝晩通って店に通勤しています。
早いもんで、もう20年になろうとしています。
米つぶ : ほぉ~、ここが「のぞき戸」ですか?
店長 : いわゆる、峠道のてっぺんで、そこまで来ると峠の向こうが、のぞけるよってことから
言われているんだと思うけど。
ここは、大野地内をのぞいたところです。
こちらは、今井地内をのぞいたところです。
米つぶ : そーすると、店長は、20年のぞき続けているわけですね。たいしたキャリヤですね。
所で、道の左側にお地蔵さんが、おられますが?
店長 : こちらのお地蔵さんは、「のぞき戸地蔵さん」です。
店長 : 地蔵さんの前を通るたびに、宝くじで3億円当らんか、ろくに練習せんどいてスキーでレースに優勝できんか、子供が、入試のたびにすんなり合格などなど、好き放題の願い事を、お願いしても、お地蔵さんは、いつもニコニコしてくれてました。
あまりのずうずうしさに、年寄りに、お地蔵さんには、普段は、無心でお参りして、「嬉しかった事や、自分の願い事が、かなったときなんかに、お礼に行くもんだ。 自分の欲にほだされたようなことをお願いするもんじゃない」と諭されたもんです。
でもある時、気がついたんです。 お地蔵さんの前に出ると、お顔の表情が、時により、曇ってたり、怒ってたり することがあるんです。
最初は、時間帯による光の当たり具合で、そうなのかなって思ってましたが、そうではないんです。
しばらくして、また気がついたんです。それは決まって、「自分の気持ちのなかで、やましいことや、人への嫉みなんかが、あるときに」なるんです。 自分の心のありよう次第で、お地蔵さんのお顔が、鏡となって、自分の心が、お顔に、写りこんで、怒っているように、見えるんだということが!!!
米つぶ : そりゃ~大変じゃないですか。 そうなったらど~すりゃいいんですか?
店長 : そうなったら、お賽銭を、10円あげて「ごめんなさい」って、一言つぶやくんです。
お地蔵さんは、またニコニコです。
米つぶ : そうだとしたら、店長は、かなり10円玉が、いりますね。
店長 : いままでに、どれくらいお賽銭を上げたか、もう、覚えがありません。
どうでしょう、お地蔵さんは、ニコニコしてますか。
米つぶ : 店長、10円貸してください。